家庭医をテーマにしたテレビドラマを妄想するw

現実逃避の妄想です・・・ 日曜夜9時の連続ドラマ「家庭医療レジデンシー物語」ってのをもし作るなら・・・ 舞台は東京下町の家庭医療教育診療所。3人の家庭医療レジデント(専攻医)が地域の中で様々な思いをもって,ホンモノの家庭医になるべく奮闘する笑…

都市部開業医のマイクロプラクティス化

ご無沙汰しております!今年もよろしくお願いいたします。更新がとどこおってしまっておりますが,今年から雑誌連載をはじめまして,医学書院「総合診療」誌上で,「55才からの家庭医療学」というタイトルです。この数ヶ月そちらに注力していたため,SNSなど…

今年読んだ本の自分的ベスト3を選ぶ

たまに医療系ではないエントリーも欲しいという貴重なご意見もいただいたので,年間ベスト◯◯的なものものせてみます。ことしは結構専門書以外の本も読みました。特にキンドル(E-inkを使ったも)は自分的には福音です。老眼がすすんで,もう文庫本はそのまま…

InterprofessionalismとValues Based Care

専門職連携実践が注目されているわけ 専門職連携実践:Interprofessional work(以下IPW)は日本の医療・介護・福祉の領域において、現在ブームになっているといってよいでしょう。昔からチーム医療は大事だと言われ続けてきているわけですが、改めてIPWが日…

情報伝達ではないコミュニケーションも医療現場には必要

吉田尚記著「なぜ,この人と話をすると楽になるのか」太田出版,を読んで,いろいろ考えさせられました. プライマリ・ケアの現場では,患者医師関係はきわめて重要な構成要素であり,また地域基盤型ケアにおいては多職種連携実践が必要であり,また施設連携…

看護理論と看護のメタ・パラダイム イントロダクション

看護ほど、病いのなかにいる人間に対してケアを提供しながら、その実践のなかから理論やセオリーを導き出そうという困難な道程を歩んでいる領域はないと思うが、そうした実践からうみだされた理論が看護理論である。 看護学という学問領域は、人間とはどうい…

地域包括ケアと規範的統合そして健康の定義

1.地域包括ケアにおける水平統合、垂直統合と規範的統合 地域包括ケアの時代においては医療専門家、介護専門家、福祉専門家、地域住民、自治体職員など地域ベースの統合(水平統合)と、在宅医療、診療所、各種施設、中小病院、大病院、大学病院などの医療…

Integrated Careと家庭医

今年のプライマリ・ケア連合学会学術大会で私達のグループが実施した地域包括ケアに関するワークショップでご協力いただいた,兵庫県立大学の筒井教授のレクチャーに非常に感銘を受けました。なぜかというと,地域包括ケアの理論的基盤としてIntegrated Care…

都市型診療所家庭医の私的エッセンシャルドラッグ或いはP-ドラッグ(改訂継続中)

家庭医の自家薬籠において,「よく処方するくすり」ではなくて,これがないと家庭医療ができないよ!!的なくすりのリストを作ろうとしていますが,いまのところあれこれ検討して,以下のようになっています。一部商品名になってます。わたしのコンテキスト…

総合診療医養成のKey Issues

最近時節柄?総合診療医の専門研修に関して,お呼ばれしてお話することが増えました。このところお話している内容をまとめてみました。 総合診療専門医のコアとなる6つの能力 総合診療専門医に必要な6つのコアコンピテンシー(日本専門医機構)とは、1.人…

日本におけるEcology of Medical Care:10年で変化したのか?

2003年に福井ら*1によるEcology of Medical Careの論文が出てから10年経過しました。そして2014年にTakahashiらが同様の研究を発表している*2。これは学会抄録集のみがPublsihされているので,詳細なデータを確認できませんが,非常に興味深いです。 結論か…

プライマリ・ケア担当総合診療医の臨床推論(承前)

通常の診療は、それが初期診療であれば、症状/主訴から病歴聴取、身体診察、各種検査を経て医学的診断にいたり治療が可能になると考えられているが、それだけで実際の初期診療が成立しているわけではない。 Fukuiら*1によると一般日本人1000人が一ヶ月間にな…

アカデミックな総合診療に参入する家庭医に向けて

1966年、Ian McWhinneyが37歳のとき、医学においてある分野が専門性があるとされる条件について記述しています。それは、 (1) A unique field of action.(特異的な医療活動の場がある)(2) A defined body of knowledge.(よく定義された知の体系がある)(3…

ケアの継続性と総合診療医

総合診療専門医のコア・コンピテンシーとしての包括統合アプローチは非常に多くの臨床能力を包含する領域である。総括的な内容は以下のとおりである。 「プライマリ・ケアの現場では、疾患のごく初期の未分化で多様な訴えに対する適切な臨床推論に基づく診断…

明けましておめでとうございます!&2015年のまとめ

みなさまあけましておめでとうございます. 今年も「藤沼康樹事務所(仮)」をどうぞよろしくお願いいたします. 更新もできるだけ頑張っていきたいと思っています. さて,週一日大学の職員をしているために,業績まとめみたいなものを年に一度提出する必要…

専門職連携教育~亥鼻キャンパスで学んだこと

千葉大学専門職連携教育研究センター(IPERC)で週一日教育と研究の時間を持つようになって、1年経ちました。たいへん得難い経験をさせていただいており、感謝の極みです。 さて、専門職連携或は多職種連携とかいま医療者教育界のトピックになっていますが、…

書評:「独立処方と補助処方~英国で広がる医療専門職の役割」

土橋朗、倉田香織訳「独立処方と補助処方~英国で広がる医療専門職の役割」(薬事日報)を読ませていただきました。 日本は高齢社会に突入し、病院から地域へ、キュアからQOLの維持・向上へ、単一急性疾患モデルからMultimorbidity(多疾患併存)へといった…

日本の総合診療は「Generalist Medicine」と呼びたい

総合診療科 2017年より総合診療が19の基本専門領域の1つとして認められることになり,「総合診療専門医」が日本に誕生する道筋がつくられることになった. 日本の総合診療の特徴は,診療所をフィールドとする「家庭医」と,病院をフィールドとする「病院総合…

研究資金のない人のためのプライマリ・ケア研究!

家庭医を長年やっていますと、やはり自分の現場に直接かかわる研究は非常に興味がありますし、特にプライマリ・ケアフィールドで実施された研究は、自分自身の診療にあたえる影響も大きいですし、また知的な楽しみや刺激があります。ですので、研究論文を読…

角川インターネット講座5「ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代」

Kindle for Android で 近藤淳也 の 角川インターネット講座5 ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代<角川インターネット講座> (角川学芸出版全集) を読み終わりました! http://www.amazon.com/kindleforandroid/ 興味深く読みました。 はてな…

中年以上の家庭医がLow Performerにならないために

*まず、はじめに 中年以降~初老期にどんなスタイルのプライマリ・ケア医や家庭医になるかについて、意識的にならないとヤバい医者になりかねない。こうした感覚は実感としてわかる。 勢いだけでUptoDateが保てなくなってきた年齢からが、ほんとうのプロフ…

ジェダイ・マスター的家庭医になるために

Robert B. Taylor著 吉村学/小泉俊三 監訳 テイラー先生のクリニカル・パール1:診断にいたる道筋とその道標 メディカル・サイエンス・インターナショナル が出版された。 僕が個人的に勝手に「Taylor三部作」と呼んでいる一連のRobert Taylor先生のマスタ…

大学病院に残る医学部卒業生をどうしたら増やせるのか?

いったいぜんたい大学医学部の教育プログラムの成果は何で図られるのか?ということに興味をもちまして、いろいろ懇談などしていますと、国家試験合格はまあ対外的には重要らしいのですが、内部的には卒業生が自分の大学病院の初期研修プログラムにどのくら…

「診療ガイドライン」と「診療マインドライン」

John GabbayとAndrée le Mayは英国のプライマリ・ケア診療のエスノグラフィー研究を約9年間にわたって行った*1。 非常に興味深いその結果を、いくつか紹介してみよう。 まず、GPの役割は以下の4つがあるとのこと。これらは全体に複雑で、混乱しやすく、同時…

米国家庭医療から何を学ぶか?患者中心のメディカルホームへ:Part 1

プライマリ・ケアに携わる医師のトレーニングは、常にその国や地域のヘルスケアシステムから要請される医師像に依拠するものである。しかし、例えば心臓外科医ならば、心臓外科医にもとめられる臨床能力のコンテンツはヘルスケアシステムに依存することなく…

診療所で家庭医がヤブ化しないための10の原則(承前)

いよいよ診療所の医者がヤブ化していく姿が、同世代でチラホラとみえるようになってきた。 若い医師は決してその医者になにかを指摘することはないので、ヤブ化している本人がそれに気づくこともない。また、日本はフリーアクセスということになっているので…

年長者よ、クラウドで仕事をしよう

2007年頃に年下の同僚からすすめられた梅田望夫さんの「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」ちくま新書 2006年 は当時僕にとっては、そうとう衝撃的な読書体験となった。「すべてがGoogleになる」「すべての人が発信者になる」といったフレーズは当…

事務所のヴィジョンとミッションを書いてみる

なんとなく事務所もそれなりに実体がでてきているので、そろそろヴィジョン&ミッション&行動計画書を作る必要がでてきたが、なかなか難しい・・・妄想も含めて、草稿としてつらつら書いてみよう。これが全部実現できるとはおもってないけれど・・・ 藤沼康…

日本のプライマリ・ケア現場におけるPopulation Health Managementを構想する

Population health management(PHM)とは、ある保険集団内の健康アウトカムの構成、その構成に影響を与える健康決定要因、さらにその決定要因にインパクトをもたらす政策と介入のことである(Nash)とされる。 日立総研の中村桃子氏による解説を要約すると、1.集団を…

日本の総合診療医の6つのコアコンピテンシー

ついにというか、やっとのことで4月20日に 日本専門医機構「総合診療専門医に関する委員会」からの報告として、総合診療専門医の6つのコアコンピテンシーが発表されました。今後はこのブログでも様々な側面から取り上げていこうと思いますが、結果的には家庭…