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家庭医と看護教育者の対話 パート3


医学と看護の新しい関係性

家庭医 今日お話を聞いて知りましたが,実は看護学部では家庭医の「地域の住民を継続的に診ていく」という特徴に通底する教育がなされているのですね.もう少し家庭医は,看護と研究も教育も一緒にやったほうがヘルスケア上有益だと思ったりしてるんですけどね.

看護教育者 そうそう.私は看護とも共通する家庭医のアプローチを,今日初めて知りました.ナイチンゲール以来,看護は脈々とこのような教育はやってきた自負があるわけですよ.だから,「家庭医はそんな教育をしていたの? それなら看護がもっと協力したのに」って思います.

家庭医 そう思います.でも,連携や協働ができなかったのには,かつては医学と看護学の間に「不幸な」関係があった可能性があったからなんですよ,どうも.

看護教育者 確かに,看護学の上には常に医学があるという関係から,看護教育はいかに医学を「排除」するかという発想で発展してきました.ですが看護大学設立から30年の歴史を経て,看護も力をつけてきてはじめて,医学と協働できるようになったのです.医師も看護と協働しようと言えるようになってきました.私が学生のころは,医学部から医学概論を教えに高名な先生が来てくれました.でも,看護学部からは医学部へは誰も教えには行かない.教えに来てくださいとも言われない.でもいまは,看護教員が看護学を教えに医学部に行きますものね.

家庭医 やっとそういう時代になってきたんですね.いまの医学生は,看護学に触れるチャンスは昔よりもずっとあるようです.

看護教育者 そういえば私が千葉大に入学した当時,新しい病棟が建ったんです.それで古い病棟を看護学部に転用したのですが,その間に「シベリア街道」という道があるんです(笑).それを越えないと双方に行けない「ベルリンの壁」みたいな.

家庭医 歴史は繰り返す笑.心理的・制度的・人事的にも壁がありましたから.でもいまは,医学系と看護系の協働が求められている.

看護教育者 やっと協働できるようになってきました.

家庭医 本日はありがとうございました.

看護教育者 ありがとうございました.

 

以上で対話は終了しました。この対話から始まったプロジェクトは現在も着実に進行中です♫ 

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