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日本におけるEcology of Medical Care:10年で変化したのか?

 2003年に福井ら*1によるEcology of Medical Careの論文が出てから10年経過しました。そして2014年にTakahashiらが同様の研究を発表している*2。これは学会抄録集のみがPublsihされているので,詳細なデータを確認できませんが,非常に興味深いです。

 結論から言うとこの10年間で,日本人の受療行動パターンはあまりかわっていないということでした。

 欠損値多いですが,一応自分なりに以下の表にまとめてみました。ちなみに,

OTC:Over the counter drug(売薬を購入)

CAM:Complementary and alternative medicine(相補代替医療

です。

f:id:fujinumayasuki:20160315153816p:plain この表から読み取れることを自分なりにまとめてみると,

1.受療行動として最初に選択するところとして,診療所と病院の外来が大多数だということ,しかも病院志向というふうにいわれているわりに診療所はよく利用されている状況はこの10年で変わらない。

2.OTCは非常によく利用されており,街の薬局がプライマリ・ケアの重要な担い手である可能性がある。

3.相補代替医療も病院外来以上によく利用されている。

4.おそらく大学病院の入院1人あたりのBackgroundPopulationは3000人以上だろうということ。

 

 医者として考えると,プライマリ・ケアの外来診療として病院は相当の役割を果たしているが,しかしその役割に応じた体制や技術構造を準備しているのかということが問題になります。地域の病院に病院内診療所といえるような部門,あるいは家庭医診療科のような部門をつくることは地域ニーズにもあっているはずだろうと思うのです。

 

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*1:Fukui T,  et al. The ecology of medical care in Japan. JMAJ 48(5); (2005): 163-167

*2:Takahasi O, et al. The ecology of medical care in Japan revisited. Value in Health 17(7); 2014: A434