家庭医の生涯学習っていうのは、臨床においてであった問題をPoint of careでしらべて解決する積み重ねが大事ってことはたしかにそのとおりだが、それだけではだめであるという思いが強くなってきています。
たとえば、ある疾患や病態、あるいは健康問題を診たことがくても、知識体系として、いつもブラッシュアップする項目はやはりあり、独特の網羅的な知識が必要なのが家庭医である。そして、重要なのは、無限にある知識や情報をどうエディットして自分にとりこむかである。これは無限にある音楽からどれをセレクションして自分の音楽番組をつくるかににている。
そうした方向性は、家庭医療の父といわれる、OHSU家庭医療学科名誉教授のロバート・テイラー先生の一連の著作が、まさにエディターに近い作業で成立していることに気づいたためでです。
目のつけどころ、つまり何が大事かという嗅覚を持つ必要がある。そういったところで、たとえば、REM睡眠行動障害とかが、まれだが実はプライマリ・ケアでしか出会わない問題で、それは先の神経変性疾患の発症の可能性ありって点重要っていう捉え方になっていたりする。だからその項目を学ぶ必要がある。
そして、もっとも重要なのが、これらがテイラー先生の「単著」だということです。
わたくしが 以下にあげるRobert Taylor3部作(笑)は、まさしく、マスター家庭医の生涯学習ポートフォリオがここに具現化されていると考えるゆえに、大変重要な著作だと思うわけです。
家庭医としてそろそろ後半に入ってきている自分の仕事の質をどう維持向上させていくのか、これはおそらくプライマリ・ケアに従事するすべての医師の課題でしょう。やはり学習ポートフォリオの構築というのは、非常に重要な生涯学習方略だと思います。
あと、おそらく他科からの家庭医や総合診療医へのコンバートとか、転進ということも近年注目されていますが、単に講習会やセミナーではなくて、Learning portfolio構築ってのは、かなりイケてる教育学習方略だとおもっていますが、来年からこれをJ大学の援助で始められそうな雰囲気がでてきているので、やる気がでてきました。