大学との関わり、私的三態

 

 自分は実は大学の医局というところに籍をおいたことがありません。卒後すぐ地域での研修や医療活動を開始しました。一時都立病院血液科で働いたり、あるいはいくつかの大学医学部の地域医療実習(診療所実習)を担当したり、年に一度、札幌医大で家庭医療の講義を続けたりしてきましたが、大学内のなんらかの仕事をするという機会はありませんでしたし、必要性も感じませんでした。

 しかし、およそ10年ほど前から慈恵医大の「プライマリケアのための臨床研究者育成プログラム」の運営委員としてレギュラーで関わらせていただくようになり、プライマリケア実践と研究を結びつけるという、今日の日本において求められる大学機能の開発に寄与できるようになったことは、自分のキャリア上大きな影響をもつことになりました。また、その結果、念願だった診療所ネットワークによるプライマリケア研究(Practice based research network)の実施も軌道にのってきており、これも大学とのコラボレーションの結実かと考えております。

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 また新たに、文科省予算(未来医療研究人材養成拠点形成事業)による、これもまた慈恵医大における「総合診療医のためのブラッシュアッププログラム」の開発に携わっており、大学の地域医療への貢献、しかも教育を通じてというところに非常に面白さを感じ、また、予算規模も大きく社会的影響もかなり大きいもので、気を引き締めて、とりくんでおります。

http://www.jikei.ac.jp/soushingp/course/brushup.html

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 そして、あらたな活動として、今年の秋も深まった頃から、千葉大学大学院看護学研究科・看護学部に週1日だけですが、特任教員として出入りすることになりました。この2年ほど千葉看護学会でお話する機会があり、その関係でお誘いいただきました。週1日とはいえ、レギュラーで大学に出入りするのは初めてなので、ちょっと不安もありますが、特に医療人の生涯学習やContinuing professional developmentの研究や、あと家庭医療の看護領域向けのゼミなどやってみようかと思っていまして、自分自身がエンジョイできるようにしたいと思っています。また、千葉大看護学部は、看護領域において、日本では最も強力で影響力の強いところで、様々な交流があるようで、あらたな出会いも期待できますし、このブログでもとりあげている様々な領域についての事業の実現の基盤づくりも兼ねられそうです。

http://www.n.chiba-u.jp/

 

 家庭医、医療者教育、そして大学への関わりをうまくバランスを取りながら、残り少ないプロフェッショナル・ライフを再構築していきたいと思っています。

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日曜日朝。ポラロイドカメラで。