2017-01-01から1年間の記事一覧

地域包括ケア時代の看護の役割

今年実施したイベントで特に印象深かったのは,吉江悟さんをゲストに迎えて,地域包括ケア時代の看護の役割をテーマにして参加者と一緒に考えたNursing Cafeでした。 その際のディスカッションの記録をSoundCloud(Podcastにも配信されています)にアップし…

総合診療のエキスパートとしての「病院総合医と家庭医」の連携

かつての診療所プライマリ・ケア医(多くは開業医だった)と病院医師の関係は,出身医局といういわば相撲業界的な部屋制度に依存していたといえるかもしれない。だから,出身大学や出身病院と連携可能な場所でプラクティスをおこなう医者が多かったといえる…

家庭医療におけるSpecialist Drugについて

Specialsit Drugとは? 以前は入院あるいは病院専門外来で治療されていた疾患や病態であったが,ヘルスケアシステムの変化により,プライマリ・ケア外来や在宅診療での継続治療へ移行するケースが徐々に増えている。また,専門外来における専門的治療を継続…

日本における家庭医像の更新

Reeveら*1によると,英国では「GP,家庭医は専門医にのぼるはしごから落ちた医師である」というLord Moranの50年以上前の呪いのような言説にどうしたら対抗できるのかということに関して,英国の若手GPの研究者が果敢な試みをおこなっている。 日本の場合,G…

番外:タイムラプス動画

ちょっと本来のこのブログの目的からはずれている投稿がつづいていて,スミマセン。今後の事務所(仮)からの各種発信のための方法やがジェッドのお試しをやっているのでした。これは4Kではありませんが,Galaxyの動画色合いがとても気に入っています。こん…

読書をソーシャルに結び付けられるか?

読書というのは,日常的な,あるいはソーシャルなネットワークからいったん切れて,コンテンツに孤独に向かい合う楽しみのことである。したがって,読書自体をリアルタイムに共有することは難しい。読み終わった後にさまざま語り合うことは可能だが,たとえ…

ポッドキャスト再発見

この2ヶ月はブログの更新ができずに申し訳ありません・・・ じつは,このところPodcastというメディアに非常に興味を持ちまして,いろいろ調べたりトライしたりしておりました。むろん昔からその存在は知っておりましたが,最近あるきっかけから,雑談や対談…

ブログ開設4周年

ブログ「藤沼康樹事務所(仮)」開設4周年を迎えました! この間と投稿数もあまり延ばせず,すくないエントリーでしたが,一つ一つのエントリーはかなり気合をいれて作りました。案外,投稿を楽しみにしておられる読者の方も結構いらっしゃって,嬉しいです…

家庭医療学と糖尿病診療の関係について

2型糖尿病と患者中心のアプローチ 2012 年 及び2015年[1]に、ADA(米国糖尿病学会)/EASD(欧州糖尿病学会)による 2 型糖尿病治療の新たな Position Statement (合同声明)が発表された。このガイドラインは「患者中心の治療」という考え方を取り入れ たこ…

小説よまない家庭医にすすめたい恋愛小説「マチネの終わりに」

今回は私が注目して,フォローしている現代作家平野啓一郎氏の手による小説で,2016年の話題作でもあった恋愛小説「マチネの終わりに」(毎日新聞出版)を取り上げます。この作品は,アラフォーの天才クラシック・ギタリストの蒔野と,同じくアラフォーで紛…

米国の家庭医療専門医制度から学ぶべきものを再考察

はじめに プライマリ・ケアに携わる医師のトレーニングは、常にその国や地域のヘルスケアシステムから要請される医師像に依拠するものである。しかし、例えば心臓外科医ならば、心臓外科医にもとめられるコンピテンシーはヘルスケアシステムに依存することな…

省察的実践家としての家庭医

省察的実践家とは何か 医師の専門領域の細分化は、患者にきめ細かなサービスを提供できるようになるという利点があるが、複合的・領域横断的な複雑な問題に対応できなくなるというリスクがある。現代において、細分化と患者ニーズの複雑化が同時並行的に進む…

家庭医をテーマにしたテレビドラマを妄想するw

現実逃避の妄想です・・・ 日曜夜9時の連続ドラマ「家庭医療レジデンシー物語」ってのをもし作るなら・・・ 舞台は東京下町の家庭医療教育診療所。3人の家庭医療レジデント(専攻医)が地域の中で様々な思いをもって,ホンモノの家庭医になるべく奮闘する笑…

都市部開業医のマイクロプラクティス化

ご無沙汰しております!今年もよろしくお願いいたします。更新がとどこおってしまっておりますが,今年から雑誌連載をはじめまして,医学書院「総合診療」誌上で,「55才からの家庭医療学」というタイトルです。この数ヶ月そちらに注力していたため,SNSなど…