2014-01-01から1年間の記事一覧

Promising Revolution through Family Medicine

"Genetics promises revolution" (again). Old fashioned family medicine, adequately funded and professionally led, promises bigger revolution. — Trisha Greenhalgh (@trishgreenhalgh) 2014, 12月 22 遺伝学は革命を起こすことはまちがいない。 だが…

連携という観点からみた医療者の生涯学習

専門職の連携という観点からみた生涯学習(Continuing Professional Development: CPD)の分類が試みられている。Barrによる以下の論文を参照しつつ、自分なりに整理してみたい。 Barr H. An anatomy of continuing interprofessional education. J Contin E…

慢性疾患のケアとHealth Systems Architectとしての家庭医の役割

地域基盤型のプライマリ・ケアを主たる任務とする総合診療医,すなわち家庭医にとって,慢性の健康問題のケアは極めて重要な課題である. たとえば7年前の脳梗塞により,右不全片麻痺があり,高血圧症のある69歳の男性のケアを考えてみよう.この患者の問題…

在宅医療におけるバイタルサイン

在宅医療では検査リソースは少ないですが、実は患者の状態を判断する上で重要となるのは基本的なバイタルサインです。 まず、体温測定です。定期訪問診療をしている患者の家族から「今朝から動きがわるくて、立とうしてもうまく立てないようです。脳卒中にな…

androidアプリHatenaBlogから投稿してみました

カンタンに、スマホから写真アップできるのが、よいですね。

プライマリ・ケアにおいてなぜ家族志向が必要なのか?

プライマリ・ケアを「初期診療のことでしょ」とか「軽症救急?」とか「基本的診療能力のことだろ」という認識がいまだに存在しているし、声の大きい(?)医学アカデミーの重鎮の間でまだまだそうした見解が蔓延している現状は残念ですが、まあ、経験したこ…

日本の総合診療へのアドバイスをいただきました

英国のGPであり、総合診療のエートスを確立したとされる名著「Innner Consultation」(邦題:内なる診療)の著者である、Roger Neighbour先生が来日され、ある集まりでお話されたことの要点を以下にメモしました。 英国ではGeneral practice(家庭医療、地域…

本物の生涯学習を可能とするためのコンピテンシーとは?

医療者が生涯教育をつづけるために必要なコンピテンシーリストが以下の文献で提案されており、極めて有用である。日本においては知識や技術のコンテンツのアップデートの提供とそのうけとりが、生涯教育とされているが、それは本質とは異なっている。 Campbe…

多職種協働の典型としてのEvidence based practiceの実装

先日千葉看護学会でIowa大学の看護師で、看護研究者のローラ・カレン先生のEvidence based PracticeのIowa大学病院の医療への実装(Implementation)に関する、2時間のレクチャーを拝聴する機会があったが、非常に感銘をうけた。 EBMの実践はどちらかという…

モダン・カンポウのパラダイムとジェネラリスト

地域基盤型プライマリケア担当ジェネラリスト、すなわち家庭医としての診療の対象は、近年そのレンジが拡大してきている。特に高齢社会を背景にして、在宅ケアを初めてとして、複雑で困難な事例に対応することが求められつつある。従来の軽症の急性感染症と…

CACCMCにおける「地域志向」って何?

藤沼康樹事務所(仮)の考えるプライマリ・ケアにおける地域志向性(Community orientation)とは、 地縁血縁コミュニティへのアプローチ テーマコミュニティへのアプローチ を2つの軸とするので、地域は従来の「地域」と「共同体」の2つの意味をもつ。 具体…

CACCMCにおける「継続性」「近接性」「包括性」って何?

継続性(Continuity) 「ずっと同じ医者がみること」ではない 慢性疾患を継続管理することだけではない 対人関係継続性が最重要、またここに、このドクターに、このナースに相談にのってもらおうと思ってもらえるような関係ができること 一発の診察で継続性…

プライマリ・ケアを担うための内科医と家庭医の共通基盤はなにか

日本において求められるプライマリ・ケアの属性あるいは行動原則は、現在及び未来のヘルスケアシステムを構想するときには独自に設定する必要があると思うたりしています。そして従来よく言われてきた「ACCCA」ではなくて以下の6つが適切ではないかと最近考…

家庭医と看護教育者の対話 パート3

医学と看護の新しい関係性 家庭医 今日お話を聞いて知りましたが,実は看護学部では家庭医の「地域の住民を継続的に診ていく」という特徴に通底する教育がなされているのですね.もう少し家庭医は,看護と研究も教育も一緒にやったほうがヘルスケア上有益だ…

家庭医と看護教育者との対話 パート2

看護研究の成果をプライマリ・ケアにつなげる 看護教育者 では,看護研究や実践の成果をプライマリ・ケア医に伝える仕組み作りは,どうしていったらいいのでしょう? 家庭医 おそらく診療所の看護師が,そういう研究や実践を学ぶ機会が多くあることが重要に…

家庭医と看護教育者との対話 パート1

3つのパートに分けて、いぜんにPublishした対話(現在は手に入らないようですので)をこのブログに再録したいと思います。対話のお相手は旧知の看護学研究者・教育者です。Family Medicineと看護学は様々なオーバーラップする領域があり、お互いに刺激しあ…

「ユマニチュード入門」(医学書院)を読む

フランス発の認知症高齢者ケアメソッド「ユマニチュード」の待望の解説書が登場した。 日本が人類史上経験しえなかった高齢社会を迎えるにあたって、認知能などの機能低下のある高齢者の増加に医療、介護、福祉がどのような姿勢をもって望むのかということに…

大学との関わり、私的三態

自分は実は大学の医局というところに籍をおいたことがありません。卒後すぐ地域での研修や医療活動を開始しました。一時都立病院血液科で働いたり、あるいはいくつかの大学医学部の地域医療実習(診療所実習)を担当したり、年に一度、札幌医大で家庭医療の…

高齢社会における大都市圏家庭医の養成

「医学教育白書」(篠原出版新社)に掲載したエッセイです。もちっと幅広い方にもみていただきたいので、少しリミックスして掲載してみます。 昨年ブログ掲載したものを加筆訂正して作っております。 1.プライマリ・ケア担当総合診療医としての「家庭医」…

大学等の履修証明~それなりにオフィシャルな資格付与ができるようにすること~

この「大学等の履修証明」制度はかなりの可能性を秘めていると思う。 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shoumei/ この履修証の取得を条件に、別途設立した団体(NPOでも社団法人でもなんでもいいが)が何らかの試験を実施し、その合格者になんらかの資格…

健康問題の複雑性と生涯教育

家庭医の生涯教育の方略を複雑困難事例への対応から考えてみるはじめに 家庭医はどうやって臨床能力を維持発展させ、自分自身をアップデートしていけばいいのであろうか。この論考では、従来型の生涯学習のパターンを突破するための、学習方略を素描を試みて…

生涯にわたる継続的ケアとは何か?

よく、生涯にわたる継続的なケアが家庭医療やプライマリ・ケアの本質と言われますが、2008年にPhil Rodgersが提案したこの図が非常にわかりやすく表現しております。 健康な時期は予防を。一旦診断が下ったならば、治癒的あるいは延命ケアを行うが、すでに並…

医療者教育における新しいメンタリング・プログラムを提案します

藤沼康樹事務所(仮)では医療職、Health care professional向けのメンタリングの実践及びメンタリングを学べる企画を計画しています。日本においてやや遅れ気味のこの領域に関心の或る方、ぜひご一緒にコースをつくりませんか?! ------------------------…

第66回東大医学教育セミナーでの講演

U-streamで先日の東大でのわたくしの講演を観ることができます。 自分で再度みてみると、いつものように早口になってしまっております(^_^;) Ustream.tv: ユーザー IRCME: 第66回東京大学医学教育セミナー, 第66回東京大学医学教育セミナー. その他 また、こ…

「Curriculum Vitae」を作成して棚おろしをしてみました

必要があってCV作ってみました(文献や講演などについてのみ、途中経過)。しかし、7年分くらいのいわゆるCV的なものを整理してみると結構記憶はあるが、記録がないものとか多い。ちゃんと個人の仕事の記録は残しておく必要がありますね。Googleカレンダーを…

北欧のGP Trainee(家庭医療レジデント)からのメッセージ

先日、CFMDのレジデントデイを見学していただいた、北欧の家庭医療専門研修医の方からメッセージいただきました。 Case based discussionの手法により、振り返りを促すようなやりとりをかなりしたのですが、それが新鮮だったようで、感謝です。ご本人に許可…

小説「家庭医療2044」

この作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ありません(^_^;) はじめに しかし、なぜ僕が2044年にタイムスリップしてしまったのか?その理由は、今もまったくわからないが、おそらく数日のちにはもとの時代に戻れるという確信もあった…

家庭医としてのTwitter活用法

「プロフェッショナルとしてTwitterを利用する場合は実名で登録し公共の場で発言しているつもりで利用する」 はじめに Twitter(ツイッター)は、140文字以内の「ツイート」と称される短文を投稿できる情報サービスで、ツイッター社によって提供されている。…

東北の総合診療後期研修プログラムでの指導実践の記録

毎月1回レジデントデイ指導にうかがっている、東北の特定機能病院内の総合医後期研修プログラムがあります。自分の主戦場である家庭医療診療所とはまたちがった指導上のIssuesがたくさんありまして、大変勉強になる教育現場です。 レジデントデイの内容とし…

今週最後の家庭医療外来診療教育

日時:3月8日 午後1時半~2時 場所:家庭医療教育診療所 対象:家庭医療専門研修レジデント3年目Dr ディスカッション・ポイント *子宮がん再発の高齢女性。どんな場合に入院を考慮するか。痛みと出血。 *高齢発症のAsthmaの評価における留意点。 *AFでワ…